乗り物としての電動キックボードにはどのようなメリット・デメリットがあるのか。自転車や原付バイク、電車や自動車とも比較しながら分かりやすく解説します。
電動キックボードのメリット
騒音や排気ガスが無い
電気を動力としているため、ガソリンで動く原付きバイクのような排気ガスを排出しません。またモーターはエンジンと比べて振動や騒音も非常に小さいので、深夜の住宅街でも全く迷惑にならないです。
置き場所に困らない・持ち運びも可能
電動キックボードは一般的な自転車と比べてもコンパクトかつ、重量も20Kg台からと軽量です。
乗り物 | 重さ(目安) |
---|---|
電動キックボード | 20~30Kg |
自転車(26インチ) | 25Kg |
電動アシスト自転車(26インチ) | ~20Kg |
原付き(スクーター) | 70~90Kg |
さすがに一般的な自転車と比べると重いものの、電動アシスト自転車より軽い電動キックボードも多いです。片手で持ち歩くというのはあまりおすすめできませんが、例えば車のトランクにも簡単に積み込める大きさ・重量です。「輪行袋」に入れれば電車に持ち込むこともできます。旅行先でのちょっとした移動手段にも便利です。
折りたたむとクローゼットにも入るほどコンパクトなので、自宅で保管する場合は駐輪場を用意する必要も無いでしょう。単身向けアパートのベランダにも置ける大きさです。駐輪場代を節約できるほか、盗まれるリスクも軽減できます。
関連記事:電動キックボードの置き場所をどうするか。駐車場・駐車場問題
「燃料費」が安くメンテナンスの手間も少ない
一般的なガソリンの原付バイクは実燃費はリッター60Km程度です。レギュラーガソリンを1L130円とすると、1Km走るのに掛かるガソリン代は2円程度です。
一方、電動キックボードは1回の充電に掛かる電気代が13円程度で35Km程度走行できます。1Km走るのに掛かる電気代はわずか0.4円と、原付バイクの5分の1で済みます。
また、オイル交換なども必要無くメンテナンスフリーである点もメリットです。
乗り物 | 1Km走る燃料代 |
---|---|
電動キックボード | 0.4円 |
原付バイク(ガソリン) | 2円 |
関連記事:電動キックボードの電気代は?
充電が簡単
スクータータイプの「電動バイク」の場合、戸建て住宅などで屋外にコンセントが無いと充電が難しいという欠点があります(バッテリーを取り外せる電動バイクもありますが)
電動キックボードはそのまま屋内に持ち込んでコンセントにつなぐのも簡単ですし、バッテリーを取り外せるものもあり、賃貸住宅で暮らしている人でも充電しやすいです(エレベーター無しの2階以上だと面倒かもしれません)
安い
公道を走行できない電動キックボードは6万円前後で公道できますし、公道を走行できるものでも10万円台前半と、電動アシスト自転車と遜色ない価格で購入できます。原付バイクよりもかなり安いです。
おまけに「燃費」やメンテナンス費用も原付きより安いので、トータルで見て経済的と言えます。
関連記事:電動キックボードの比較表
電動キックボードのデメリット
デメリットや不便な点もあります。
運転免許、ヘルメットの着用が必要
公道を走るにはヘルメットの着用が必須です。また運転免許も必要です。免許については原付バイクを運転できるものがあればOKです。原付の免許や、乗用車を運転できる普通免許があれば運転できます。公道でなければ免許もヘルメットも必要ありません(ヘルメットはどこでも被った方が安全だと思いますが)
基本的には原付バイクと同じ交通ルールが適用されるので、歩道を走れないといった制約もあります。駐輪場も、自転車用ではなく基本的にはバイク用のところに停めることになります。自転車と比べると「面倒」な点と言えます。
関連記事:電動キックボードに必要な運転免許の種類
公道利用には自賠責保険の加入やナンバーの取得が必要
公道を走るには、原付バイクと同じルールが適用されます。したがってナンバープレートの装着も必要ですし、自賠責保険の加入も必要です(費用は年間7千円程度) ナンバーは購入する店舗で付けてもらえば特に手間にはなりませんが、自転車と比べるとどうしても手間はかかります。
これらの点は原付バイクと同じです。
関連記事:電動キックボードに掛かる維持費用の一覧
長距離移動には適していない
ガソリンで動く原付バイクと比べると車体が小さいため、長距離移動に適した乗り物ではありません。また、電池もフル充電で30~40Km程度しかもたないので、片道せいぜい3~5Kmくらいの移動に使う乗り物、という認識を持った方がいいです。通行量の多い国道のような道を走るにも適していません。
また、頑張れば60Km/h近く出るガソリンの原付バイクと比べると、電動キックボードは最高速度で劣ります。中には20キロしか出ないものもありますし、速いものでも40キロ程度が限界です。原付バイクは公道での制限速度が30Km/hなので速度違反をしづらい点はメリットと言えるかもしれません。